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デザインをつくる イメージを作る ブランドをつくる
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デザインをつくる イメージを作る ブランドをつくる

工藤青石(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 宣伝会議
発売年月日 2025/03/17
JAN 9784883356218

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2025/04/19

本書は、「デザイン」「イメージ」「ブランド」を「つくる」という行為の本質を深く掘り下げ、それらを統合的に捉え実践するための思考法とアプローチを探求する一冊。著者の経験や具体的な事例を交えながら、デザインの根源的な意味からブランド構築の実際までを多角的に論じる。 まず、「デザイン...

本書は、「デザイン」「イメージ」「ブランド」を「つくる」という行為の本質を深く掘り下げ、それらを統合的に捉え実践するための思考法とアプローチを探求する一冊。著者の経験や具体的な事例を交えながら、デザインの根源的な意味からブランド構築の実際までを多角的に論じる。 まず、「デザイン」という言葉の多様な現代的解釈を踏まえつつ、その本質は何かを問う。単なる視覚表現や機能性だけでなく、空間でしか共有できない体験価値の創出が重要視される。美しいものはデザインされ、美しくないものはデザインされていない、という視点も提示しつつ、バウハウス的な機能主義だけがデザインではない多様性も示す。アートとの境界線の曖昧さにも触れる(ミス・ブランシェの例)。求められる条件を満たし、他者に受け入れられるデザインの必要性が強調される。 ブランドイメージは単層ではなく、視覚的な印象(ビジュアル)、対話を通じた感覚的なやり取り(インタラクション)、属性情報(インフォメーション)といった複数のレイヤーが積み重なって形成される。効果的なブランドイメージ構築には、これらのレイヤー構造を理解し、段階的に情報を発信していくコミュニケーション戦略が不可欠。一時的なブームで終わらず長続きするブランドは、このレイヤー構造が整理され、実行されている。ブランド名は最初のステップであり(SHISEIDO MENの例)、独自価値、曖昧さ排除、美への妥協のなさなどがヨーロッパ的なブランド定義として挙げられる。 コミュニケーションデザインは、単なる制作業務ではなく、企業やプロジェクトの課題解決を提案する事業体と定義される。言葉や記号を超えた、本能的・生理的な感覚に訴えるコミュニケーションの重要性が示唆される。 プロダクトデザインの事例として、SHISEIDO MEN(球体ボトルと素材感)、OXYDERM(明確なフォルムへのリニューアル)、Kiora(S字の揺らぎによる手作り感、色彩の多様性)、ロー ドゥ イッセイ(ミニマルなデザイン)などが紹介される。製品化プロセスにおける試作の重要性、メーカーとの協業、技術的制約と理想の追求における葛藤も語られる。 販売促進とイメージ戦略では、商品自体がメッセージとなるデザイン(IPSA)、ビジュアルが持つイメージ牽引力と記憶への影響力、季節モチーフの普遍化によるブランド連想(三越)、ロケーションを活かしたプレス発表会(BASARA)、ブランド体験を提供するショップ空間(Kiora)の重要性が述べられる。限られた予算内での効果的な広告戦略も考察される(NYタイムズ広告)。 創造性においては、その場での体験価値(平野敬子)、クリエイティブに集中できる環境、得意領域の深化、チーム内の信頼関係、デザイナーが一人で完結させることの可能性、そして「本物」をつくることの重要性が強調される。デザインは経験が活きる分野であるとされる。 IPSAのリブランディング事例では、10周年を機に行われたパッケージ刷新、ブランドコンセプト「美的生命力」を表現するシーズナルビジュアル(フランシス・ジャコベッティ)、体験装置アクアズムの開発、店頭スタッフ(レシピスト)のウェア、直営店の空間デザインまで、ブランドイメージを統合的にディレクションするプロセスが詳細に語られる。 最後に、紙媒体もオンラインも統一されたディレクション下でデザインし、フレキシブルに対応すること、専門チームとの協創によって質を高める「統合的なデザイン」の重要性が示される。

Posted by ブクログ