商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2024/08/20 |
JAN | 9784122075474 |
- 書籍
- 文庫
隅田川暮色
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隅田川暮色
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呉服問屋生まれの冴子は、幼き頃は小児喘息で身体が弱かった。大人になり妻子ある夫と内縁関係という不安定な立場ながらも、夫の生家の商う「香月」で組紐を作っている。 序盤は、冴子が幼馴染の俊男に再会するところから始まっている。 今の生活や組紐を作ることに魅せられている様子を描いている...
呉服問屋生まれの冴子は、幼き頃は小児喘息で身体が弱かった。大人になり妻子ある夫と内縁関係という不安定な立場ながらも、夫の生家の商う「香月」で組紐を作っている。 序盤は、冴子が幼馴染の俊男に再会するところから始まっている。 今の生活や組紐を作ることに魅せられている様子を描いているのがあまりにも緩やかなので、少し物足りなさを感じていたのだが、3分の2を過ぎた頃から冴子の心の内が熱を帯びたかのような烈しさになってゆくので、こちらまで熱くなる。 葛藤と大胆さが交互になり、それに加えて幼馴染の俊男の読みにくかった感情までも見えてくる。 俊男の染める糸には艶と色気があると言ったのは、夫の父真造であるが、甥の響一も、もちろん夫の悠も夫の祖母加津も何かを感じていたのかもしれない。 紐への情熱と男に対しての情愛の凄さを感じ、生きるってのは罪深く命がけなのだと思わずにはいられなかった。
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組紐に魅了された冴子は八百年前の厳島組紐復元に心血をそそぐ。伝統工芸の世界と大川端に暮らす人々の哀歓を描く日本文学大賞受賞作。〈解説〉堀川理万子
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