ゆめのごちそう

ペク・ヒナ(著者), 長谷川義史(訳者)

• 販売会社／発売会社: ブロンズ新社
• 発売年月日: 2024/04/11
• JAN: 9784893097316

商品レビュー

2024/08/25

頼り甲斐のあるお兄ちゃんカエルのお話。
これはどういう手法で描かれているのだろう。普通に描いたんじゃないよね。お話よりもそっちの方が気になってしまった。

2024/08/11

2024年度　3年生　2分45秒
2024年度　6年生
かえるのおにいちゃんが両親が仕事に行った後、
弟や妹のおたまじゃくしの面倒をみます。
おたまじゃくしが、にいちゃんおなかすいた～と口々にいいます。
兄ちゃんがすごいスピードでハエを捕まえます。
その描写が楽しいです。　
くたくたになった兄ちゃんが見たゆめとは？
子供たちも楽しんでくれました。

2024/06/02

　久しぶりにペク・ヒナの絵本を読もうと、市の図書館のサイトで検索したら、最新作が予約可能だったので借りてきました。

　韓国の絵本作家ペク・ヒナは、自称『人形いたずら作家』であり、本書はアニメのセル画手法を用いて制作されたそうだが、彼女の場合はどのような制作法であろうと、それが｢ペク・ヒナ・ワールド｣になってしまう点に、彼女ならではの他では見られない独創性があるのが、韓国で最も注目される絵本作家たらしめる所以なのだろうと思う。

　例えば本書にしても、ストーリーはとても単純なものでありながら、彼女の絵から感じさせる、人情味に溢れた庶民的で愛嬌のあるキャラクターたちに魅力があって、それがまた、長谷川義史さんの関西弁の訳とも上手い具合に噛み合った面白さとなっており、それが物語の主人公である｢にいちゃんカエル｣の、弟のオタマジャクシ達の｢おなかすいた｣に応えてあげる面倒見の良い優しさと、最早モグラたたきにしか見えない離れ技の面白さとが、見事に調和した独特な個性へと繋がっていて、それは本物と多少かけ離れて見えるけれども、とても可愛らしいオタマジャクシの絵からも感じられた独特さである。

　また、本書の制作法の拘りとして、おそらくアニメのセル画と、実際の植物の影を拡大させて映し出したものとを、重ね合わせて撮影しているように思われた、その立体感を持たせた世界観には、どこか日本的情緒を感じさせられて風流があり、他にも、ほのかな光の色合いで時間の経過を表していたり、夢の場面らしく敢えて作り物っぽく再現した水の表現に、表紙の何枚ものセル画を重ね合わせた中で、更に前面に影を効果的に映していたりと、そうした細かいところに拘りまくる姿勢には、彼女の『いたずら』という名のもとの作品に対する愛情なのだと思い、そんな愛のいたずらとユーモアと人情味が合わさった、未体験の方にはきっとこんな絵本もあるんだという驚きや喜びに包まれるであろう、独特な個性を持つ｢ペク・ヒナ・ワールド｣、是非お試しあれ。