商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2023/10/13 |
JAN | 9784065329597 |
- 書籍
- 文庫
畏れ入谷の彼女の柘榴
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畏れ入谷の彼女の柘榴
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商品レビュー
4.8
5件のお客様レビュー
読み終えてもタイトルと内容の意味が私はよくわからなかった。 けれどどの作品も現実ににじみ出してしまった怪異の不気味さが面白くてサクサク読み進めてしまった。 「畏れ入谷の彼女の柘榴」「裏山の凄い猿」はどちらかといえばエンタメ的で各シーンが面白かった。 単行本刊行時書き下ろしの「うち...
読み終えてもタイトルと内容の意味が私はよくわからなかった。 けれどどの作品も現実ににじみ出してしまった怪異の不気味さが面白くてサクサク読み進めてしまった。 「畏れ入谷の彼女の柘榴」「裏山の凄い猿」はどちらかといえばエンタメ的で各シーンが面白かった。 単行本刊行時書き下ろしの「うちの玄関に座るため息」は人生における後悔と失敗について丁寧に書かれていて、理解するのに何度も終盤を読み返した。 収録されている三作の中ではこの作品が一番好きだが、直哉の「男性が思う女性らしさ」的な雰囲気が不快で、とてもうまく描かれているなと感じました。 購入して良かったです。
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なんだこれ、すごい。想像してた展開をがんがん上回ってくる。 表題作「畏れ入谷の彼女の柘榴」語呂が良すぎる。こっちの先入観を殴り殺してくる展開に文字通り畏れながら読んだ。殺すより強い生命の冒涜があるんだな…… 「裏山のすごい猿」ファンタジーでさるかに出てくるのにじっとり嫌な感じがつ...
なんだこれ、すごい。想像してた展開をがんがん上回ってくる。 表題作「畏れ入谷の彼女の柘榴」語呂が良すぎる。こっちの先入観を殴り殺してくる展開に文字通り畏れながら読んだ。殺すより強い生命の冒涜があるんだな…… 「裏山のすごい猿」ファンタジーでさるかに出てくるのにじっとり嫌な感じがつきまとってすっきりしない。 「うちの玄関に座るため息」明らかに怪異系のホラー導入なのに着地!!!こんな夜中に感想書いて明日の朝後悔するだろうけど、それをわかっていてもこれも必要な後悔なんだなあ。自分の軸だからといってそれに支配されない、すべてにしない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
正しさと優しさは両立しないことの方が多いと、つくづく思った。不思議の中に優しい物語を入れ込むのが舞城王太郎の凄さ。 「畏れ入谷の彼女の柘榴」 タイトルの語呂が良くていい。でも、モヤモヤする話だった。千鶴が不倫して出来た子供を「おめでたい出来事」と言い、そこから夫婦の関係が悪くなっても「雨降って地固まる」とか言っちゃうのも、イライラしてしまったが、「どのようなバカにも存在意義があって、この世の中の幸福につながるチャンスがそれなりにあるんだという俺の祈りが叶いますように」という優しさはなくてはならないような気がした。 「裏山の凄い猿」 「困っている人を助けようって気持ちがなくなったら社会は終わり」っていうのは、誰に対してもそうで、「柘榴」でもあるようにたとえ相手がバカだとしても人の助けがないと社会は終わってしまうと思う。「全てのお話は寓話であって、教訓や警句に満ちているのかもしれない。でもそれを打ち破るのも物語のあり方で、寓意なんかに気持ちをこなされないように、気を張って生きるしかないのだ。」というのは、舞城作品の全てに言えることのような気がする。 好きな人を求めて「絶対に、どこかにいる。」というラストは清々しくていい。 「うちの玄関に座るため息」 鷲田清一の「支え合うことの意味」の寓話のようなお話で、個人的に一番好きだった。人は持ちつ持たれつで、どんなに気をつけていても他人の負担になることはあるし、それを自覚すべきだと思う。これは前々から思っていたことだけれど、さらに「後悔を引き受ける」という考え方がいいなって思った。「後悔しないように生きる」という言葉は聞こえはいいけれど、「後悔しないこと」が目的化されてしまうと、後悔したくないがために考えを辞めてしまったり、行動しなかったりする場合も確かにあるなと思った。自分の後悔も相手の後悔も全部引っくるめて受け入れることが本当の優しさなんだろうな。
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