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選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子 文春文庫
825円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2021/04/06 |
JAN | 9784167916831 |
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選べなかった命
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選べなかった命
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
これは、ちゃんと読んでみないと分からない本。タイトルとか、内容紹介とかを見ただけでは本質は見えづらい。実際、自分も読了するまでは、本訴訟について少なからぬ違和感を覚えていた。違和感を放置せず、その理由を問い続けないと、なかなか本質に辿り着かない。その当たり前につき、認識を新たにし...
これは、ちゃんと読んでみないと分からない本。タイトルとか、内容紹介とかを見ただけでは本質は見えづらい。実際、自分も読了するまでは、本訴訟について少なからぬ違和感を覚えていた。違和感を放置せず、その理由を問い続けないと、なかなか本質に辿り着かない。その当たり前につき、認識を新たにした次第。そして医療に限らず、常識的な真摯な態度があれば、ここまで大きな問題にはなっていなかったのだろうな、と。
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昨日に引き続き「小さな命」を考える本です。 出生前診断の誤診によってダウン症の子を出 産した女性が、誤診した医者を訴えた裁判の ルポです。 「では誤診でなければ、中絶を選んだのか?」 と問われると、そうではないと言う。 単純に第三者的な立場で考えてしまうと、ダ ウン症である...
昨日に引き続き「小さな命」を考える本です。 出生前診断の誤診によってダウン症の子を出 産した女性が、誤診した医者を訴えた裁判の ルポです。 「では誤診でなければ、中絶を選んだのか?」 と問われると、そうではないと言う。 単純に第三者的な立場で考えてしまうと、ダ ウン症であると知らされていなかったので、 しなくてもよい苦労や悲しみを背負うことに なった。それを訴えるのだろう、と思えます。 しかし訴えた理由はそんな単純ではありませ ん。 「命とは?」「母親の思いとは?」「生きる とは?」 本当に本当に、人間の根源について考えさせ られる一冊です。
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出生前診断が優生思想と結びついて語られがちな状況は、日本独特のものであることを知った。母体保護法と名前を変えてはいるが、その前身は優生保護法。母体の保護と経済的理由を中絶の根拠と表向きにはしつつも、実態としては胎児の先天的な障害が中絶の直接的な理由になっている。 NIPTのカウン...
出生前診断が優生思想と結びついて語られがちな状況は、日本独特のものであることを知った。母体保護法と名前を変えてはいるが、その前身は優生保護法。母体の保護と経済的理由を中絶の根拠と表向きにはしつつも、実態としては胎児の先天的な障害が中絶の直接的な理由になっている。 NIPTのカウンセリングまでは受けた当事者として、どうしても読まなければならないと思って読んだ。やっぱり、どこにも答えがない。答えがないのが、答え、という言い古されたフレーズが頭をよぎる。 科学技術の進歩は、人類の身体的あるいは精神的負荷を取り除き、自由の領域拡大を目指してきた。結果、従来、人類に課されていた負荷は軽減された。楽に遠くまで移動でき、労せずして遠方の人と意思疎通でき、大量のデータで記憶力を肩代わりできるようにはなっている。一方で、それまで自然に委ねておけばよかった事柄も、自由意志によって選択できるようになっている。つまりは、取り除くはずだった精神的な負荷は取り除かれず、かえって人類に知的体力をますます要求する結果になっている。 決める、というのは、捨てる、ということと同義だ。道徳律の問題はいつもここにひっかかって堂々巡りする。捨てられない、でも捨てたい、でも捨ててはいけないかもしれないし、捨てなくても大丈夫かもしれない、でもやっぱり捨てないと後々困るかもしれない。 私に言えるのは、人間は変わる、ということだ。 そして、決めるには時間とサポートが必要だということ。 医療者だけではない。子どもをお腹に宿すお母さんたちを取り巻く人たち皆んなが、お母さんと一緒に悩んでくれることが大事なんだと思う。 カウンセリングまで進んで、やっぱり結果がどうあれ産むんだから受けなくていい、と思いとどまった私としては、言えるのはそこまで。 それと、こういう体験を忌憚なく話し合える場もあるといいのかもしれない。
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