ついには誰もがすべてを忘れる ハーパーBOOKS

フェリシア・ヤップ(著者), 山北めぐみ(訳者)

• 販売会社／発売会社: ハーパーコリンズ・ジャパン
• 発売年月日: 2019/02/16
• JAN: 9784596541055

商品レビュー

2021/05/07

復讐系ストーリーは復讐者が幼稚だと途端に冷めてしまう。
ソフィアはもう少し知的なキャラであってほしかったしせっかくの記憶力の設定をいまいち生かせていなかったのが残念だった。

1度だけの気の迷いならともかくしっかり2年も浮気しておいて本当に愛してるのはクレアなんだとちょっといい話風に持っていかれてもね。
この2人もやはりキャラとしての魅力に欠けた。

2019/12/04

昨日までのこと一日分しか記憶できないモノ、二日間のことを記憶できるデュオ。そんな人種からなる世界で人々は毎朝iダイアリーに記録した日記から過去のことを知ります。覚えておくことを自分で取捨選択できる世界で、殺人事件の真実を暴くことができるのか。こんな世界でも人間の腹黒さや駆け引きは同じです。愛するとは、夫婦とは…。過去の出来事を紐解くことで後半一気に見えてくるものに圧倒されました。そしてエピローグでも！SF、ミステリ、ラブと詰め込んだためか薄めな部分はありますが、SF苦手な私でも読みやすかったです。

2019/08/23

ケンブリッジ川のほとりで発見された美女の遺体。被害者の日記を読むと彼女は有名作家の愛人であり、何らかの理由で彼に復讐しようとしていたらしい…
というとありがちなミステリの冒頭だが、この世界はすべての人々が２３歳になると１日前、あるいは２日前までの記憶を失ってしまい、過去に自分が書いた日記に頼って生活するというパラレルワールド。それはまた１日前までの記憶しかない”モノ”と２日前までの記憶がある”デュオ”の格差社会でもあった…というSF的設定が面白い。そして、設定に慣れてみると普通にサスペンスかなと思いきや、意外などんでん返しもあり。
しかし、せっかくのモノとデュオの世界という設定なのだから、社会的な描写がもう少し欲しかった気がする。
あと、シンプルな原題「YESTERDAY」にこの邦題をつけた訳者はすばらしい。