商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NTT出版 |
発売年月日 | 2017/12/01 |
JAN | 9784757160729 |
- 書籍
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営繕論
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営繕論
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(01) 「営繕」という言葉が「営造」と「修繕」から成り,現代の日本が建設をラッシュすることで,「営造」よりにシフトし,経済的に「修繕」が省みられることのなくなった情況に,「地獄」にも例えられるような重い「営繕」の課題を見つけ,その課題の解決を「営繕」により探るのが本書である. ...
(01) 「営繕」という言葉が「営造」と「修繕」から成り,現代の日本が建設をラッシュすることで,「営造」よりにシフトし,経済的に「修繕」が省みられることのなくなった情況に,「地獄」にも例えられるような重い「営繕」の課題を見つけ,その課題の解決を「営繕」により探るのが本書である. それを著者は「ライフデザイン」の中で探究するが,一般的な建築意匠やちゃらいデザイン(*02)といった解決ではさらさらなく,「強さ」や「長さ」にこだわり,その両立の方法論を材の重量や大いさに求める. 瓶と缶の生産とリサイクルに着目し,アナロジーとして都市や建物の問題にスライドし,営繕の道を考えている.ディテール論として,「壮麗」という概念を日光東照宮と現代都市(*03)を対比しながら検討しており,フラクタルや入れ子構造,メタボリズムにも連絡を可能にしている. 保全性の現在形として,路上配線された電線とそれを支える電柱について肯定的に述べている章も印象的である. (02) まえがきに位置付けられたベルリンの壁崩壊時に書かれた断章についても,いまだ日本では見識が定まらない建築物の保存の問題を先取りしているし,「一時的・仮説的状態」は約30年後の現在の問題としても敷衍されるはずであり,その一端がこの「営繕論」であるとも考えられる.建築意匠や装飾(内外装)の問題は,本書の中では,一世代も経てば陳腐化されてしまう,建替えの契機としてしか現れてこない.スケルトンインフィル,いわゆゆるリノベーション,都市経営などに,この営繕論をあわせて考えてもよいかもしれない. (03) モダニズムのお題についても一章が割かれている.山本学治,槇文彦氏,吉本隆明(高村光太郎)らの言説を引きつつ,いわゆる戦後問題や転向に触れている.やや図式的ではあり,それは戦前の「近代の超克」にも関わる問題系であるが,山本の「凧」や槇氏の「船」の隠喩がモダニズムの軽さと重さの振幅にあることにも注意が必要であろう.
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