猫だもの ぼくとノラと絵描きのものがたり

いせひでこ(著者), かさいしんぺい(著者)

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2017/09/01
• JAN: 9784582837667

商品レビュー

2022/11/06

タイトルの字体に惹かれ
中表紙の、お尻が見えてるだけの
猫の絵にやられた！

なんて優しい日記なんだろう
なんて素敵なつながり方なんだろう
静かに幸せが滲みてくる、、

2022/10/11

いせひでこさんの絵を見たくなって図書館で借りた。
かさいしんぺい氏は知らなかったが、いせさんとは友達のようで、優しい口調の日記が読みやすかった。

道に落として割ってしまった牛乳瓶。
こぼれた牛乳を拭いていると、どこからか現れた猫が牛乳を舐めている。
そこから始まるノラ猫との関係を綴った日記。

かさいしんぺい氏はいろいろと話しかけてくるけど、むつかしい話はわからない。だって、猫だもの…。

この日記が書かれた頃のいせさんは、グレーと名付けた犬を亡くしたばかりの時だった。
いつもグレーがいた庭も、いつしか2匹の猫の散歩道になっていたようだ。

いせひでこさんの絵本に『絵描き』があるが、そのモデルが、かさいしんぺい氏だとあかしています。
その『絵描き』の中に"GOGH"と書かれた表紙の本が出てくるが、いせさんはゴッホからいろんなことを学んでいるようです。

「旅の目的はやがてわかる。粗いクロッキー(写生)がエスキス(下絵)になり、やがて完成したタブロー(絵)になるように」というゴッホの言葉を支えに絵を描き続けたのだとか。

いせさんの絵は哀愁があっていいですね。
読み終わって、もう一度絵だけ見直すと、その時の気持ちが伝わってきます。

2022/10/09

牛乳配達の青年と野良猫の出会いが始まり。
猫、人との交流は季節と共に深まってゆく。心優しい物語。
・キタカル日記　　かさいしんぺい
・しんぺいの手紙　いせひでこ
・猫だもの　　　　かさいしんぺい
・絵描きだもの　　いせひでこ

ある8月の終わり、割れたびんから流れた牛乳が、
ノラ猫のキタカルとの出会い。
少しずつ距離が縮まる中で、関わる人との出会いと交流、
手紙のやり取りで知るキタカルの過去が、
しんぺいくんの日誌に綴られています。
彼は、ともだちの年の離れた絵描きさんに手紙を書きます。
共に暮らした犬を亡くしたばかりの絵描きさんにも、
しんぺいくんとキタカルの話は癒しになっていきます。
コーポ・キタカルを作ったおばさんと共にキタカルは引っ越す。
それは別れと同時に、新たな一歩を踏み出すしんぺいくんの
背中を押すことになります。猫だもの。難しいことは分からない。
でも、知らない新しい世界へ旅に出る。だから僕も旅に出る。
絵描きさんにも葛藤のある日々があった。
でも、しんぺいくんをモデルに描いた絵描きの青年は、私自身。
猫との出会いが人生に影響を与えることもある。絵描きだもの。
いせさんの絵としんぺいくんの文がシンクロして、
心をほっこりさせてくれました。