商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 創元社 |
発売年月日 | 2015/07/01 |
JAN | 9784422115931 |
- 書籍
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緩和ケアという物語
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緩和ケアという物語
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心理学の本を色々読んでいたらたどり着いた本。私は医療従事者でもなく、またその経験もないが、リアリティ溢れる診療の様子が事例として沢山紹介されていて、まるで追体験しているような錯覚を覚え、単純に読み物として面白い。 ナラティブ・アプローチは緩和ケアの分野のみならず、全てのコミュニケーションにおいて活用できる考え方だと思う。 「痛み」の定義に関する記載は非常に興味深かった。 冒頭の「緩和ケアに行かせてください。安楽死させてくれる緩和ケアで死なせてください。」と言う患者に対して、緩和ケアはそういうものではないです.と説教することは、医療的には”正しい”が、ナラティブ・アプローチ的には正しくない。深いと思います。 --- 「症状を正しく説明すること」も「痛みを正しく評価すること」も、それ自体、間違ったことを言っているわけではない。しかしそれぞれの医療の文脈を無視して押し付けられるなら、深い傷を残す暴力になることもある。 「正しい説明」は破壊的な力が潜んでおり、論理的な「暴力」になることもある。普遍的なものが個人と一致そこねて、あるいは個人を包含しそこねて、普遍性への要求そのものが個人の権利を無視してしまう状況では、普遍的なものは暴力になることもある。 緩和ケアの「正しい」定義も、患者の個々の価値観や考え方、状況を無視して一方的に正しいものとして押し付けられるなら、それは「論理的暴力」として働く可能性がある。 がんと告知されてから自分のことを振り返るなかで、「自分は悪いことをしたわけではないのに」とか「あれこれのおこないが悪かったのだろうか」と罪悪感を抱いてしまうことはしばしばある。そういうときに、あなたが悪いわけではない、と言ってしまうことは、生まれかけた新たな意識の芽をつむことになるかもしれない。そこで生じた罪悪感を十分に意識することによって、新たな意識が生まれる可能性もある。不用意にこれらのことを指摘することは、下手をすると患者に二重の荷物を負わせることになりかねない。
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