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王国(その4) アナザー・ワールド 新潮文庫
506円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2012/10/30 |
JAN | 9784101359403 |
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王国(その4)
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商品レビュー
3.8
36件のお客様レビュー
読んでしまった。読んでよかった。 登場人物全員が愛おしい。 生きること、愛すること、働くこと、どこにも正解なんてないのに、優等生でいて優良企業に入って、子育てに悩んで人生に悩むのはくだらないことなのかもしれない、と思える余裕をくれる一冊だ。 ただ、時間が流れていくだけ 今日も...
読んでしまった。読んでよかった。 登場人物全員が愛おしい。 生きること、愛すること、働くこと、どこにも正解なんてないのに、優等生でいて優良企業に入って、子育てに悩んで人生に悩むのはくだらないことなのかもしれない、と思える余裕をくれる一冊だ。 ただ、時間が流れていくだけ 今日も何かに、誰かに支えられて生きていく
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キッチンから始まり、アムリタで何かが確かに出来上がり、この王国でさらに熟成されてゐるやうな気がする。 3巻の終わりにもあるが、雫石といふ存在に吉本ばなな自身も対話してゐる。かうなのか、ああなのか。書きながら少しづつできあがつていつた存在なのだと思ふ。その形が時間の流れた4巻で実を...
キッチンから始まり、アムリタで何かが確かに出来上がり、この王国でさらに熟成されてゐるやうな気がする。 3巻の終わりにもあるが、雫石といふ存在に吉本ばなな自身も対話してゐる。かうなのか、ああなのか。書きながら少しづつできあがつていつた存在なのだと思ふ。その形が時間の流れた4巻で実を結んでゐる。時間と空間の広がりといふのだらうか。何かが生まれ発生していくその瞬間を目にしてゐるやうだ。死と再生の次にある、旅立ちの物語だ。 この自分が自分であることの不思議さ、どうにもならない何か。ならば、そんな自分がここで生まれ、どういふわけかひとの世で生きていくといふこと。山といふ世界から、ひとの世界へ。植物と動物の世界から、ひとの世界へ。 このどうにもならない自分であつたとしても、決してこの世で生きていけないわけではない。必ずこの世界のどこかで、生き続けられる王国がある。どんな泥水の中にあつても光る石がある。その光があるから、生き続けられる。なんとなく当たり前の日々の愛しさ、人間の気高さ、美しさといふものがより一層光を増す。 ひとりではくじけることもあるかもしれない。だからこそ、また明日も歩き出せる力、神の水、養生の術が必要だ。王国は必ず存在する。その希望と自分に誠実であり続けること。さうして今といふ点をつないでいくだけだ。この点の明滅が繰り返されていく先はただの死・滅びかもしれない。それでも、点はどこまでまた息づく。この自分が滅びてもバトンが世代をつないでいく。
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王国1・2・3シリーズのスピンオフのような作品。雫石に娘ができ、その娘が成長して、失恋して、また新たな恋の形に出会い、新しく出発しようというところまでの心の動きを、よしもとばななさん特有の、ちょっと突飛だけれど、最後にはなんだかよくわからない大きく温かいもので包んでくれるような、...
王国1・2・3シリーズのスピンオフのような作品。雫石に娘ができ、その娘が成長して、失恋して、また新たな恋の形に出会い、新しく出発しようというところまでの心の動きを、よしもとばななさん特有の、ちょっと突飛だけれど、最後にはなんだかよくわからない大きく温かいもので包んでくれるような、独特の世界観と文章で書かれている。4冊目ともなるとばななさんが自身の世界に深入りし過ぎてしまったせいか、人間関係が複雑さを増し、中盤までは物語に入りづらいなと感じる部分も多くあった。様々な形の(特にマイノリティの)家族愛はこの小説の中に溢れるほどに書かれていて、この小説に出会って、自分の居場所を見つけたような気持ちになる人は多くいるだろう。
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