日本映画論 1933-2007 テクストとコンテクスト

加藤幹郎【著】

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2011/10/29
• JAN: 9784000242837

商品レビュー

2013/08/16

戦前・戦中・そして最近に至るまでの１年１作の紹介で監督についての説明が興味深いところです。終戦の年も５０本の作品があり、ここでは優れたアニメ映画「桃太郎　海の神兵」（瀬尾光世監督）という作品が紹介されています。ディズニーのプロパガンダ映画より優れているというのは今更ながら誇らしい気がしますが、古い映画はもう絶対に見ることがなさそうですね。黒澤の「七人の侍」が1954年で、自衛隊創設の年であるという背景があるという説明は思いもつきませんでしたが、確かにそのようなことがありうるのですね。河瀬直美、井口奈己、西川美和らの素晴らしい女性監督が最近活躍していますが、実は田中絹代が映画監督として1955年に登場していることは新発見でした。