商品レビュー
3.5
12件のお客様レビュー
潜水士の話としては、以前読んだ「マンハッタン・ビーチ」が思い出深いが、当時日本人がオーストラリア近海の海底に潜って貝採取していたということに驚き、また戦争に巻き込まれて不遇な目に遭いながらも現地人と仲を取り持ちながら事業を広げていくなど昔の人は偉大だったと驚く。木曜島という島の存...
潜水士の話としては、以前読んだ「マンハッタン・ビーチ」が思い出深いが、当時日本人がオーストラリア近海の海底に潜って貝採取していたということに驚き、また戦争に巻き込まれて不遇な目に遭いながらも現地人と仲を取り持ちながら事業を広げていくなど昔の人は偉大だったと驚く。木曜島という島の存在もこの小説で初めて知り、感慨深い。 短編で明治維新時代に有名にはならなかったまでも名を残した人物が描かれているが、小説として書かれていなかったら知ることのなかったスピンオフ的なもので、へぇとはなるものの、歴史資料を読んでいるようで自分にはいまいちでした。司馬遼太郎の作品自体がほとんど読んだことがなく、純文学は苦手だと改めて知ることになる。
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「木曜島の夜会」明治~世界大戦 ごろにオーストラリアで日本人が潜水夫として働いていたとは知らなかった。 「有隣は悪形にて」松陰先生じゃなくて富永有隣にスポットを当てている割に良い書き方じゃないなぁ…。最後に突然国木田独歩が出てきてびっくりした。そういや独歩も山口ゆかりで英語塾開いてたわ…。 「大楽源太郎の生死」しばりょは大楽が嫌いなのでは…?と思う感じの書き方。 「小室某覚書」地味だけど成功した人物
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「木曜島の夜会」1976「有隣は悪形にて」1972「大楽源太郎の死」1972「小村某覚書」1967の4篇。 分量的にも、なんと言っても読ませるのは「木曜島の夜会」。ほかは、可も無く不可も無く、それ目当てに買うような商品では無い。 1976というともう司馬遼太郎的には「長編小説晩年...
「木曜島の夜会」1976「有隣は悪形にて」1972「大楽源太郎の死」1972「小村某覚書」1967の4篇。 分量的にも、なんと言っても読ませるのは「木曜島の夜会」。ほかは、可も無く不可も無く、それ目当てに買うような商品では無い。 1976というともう司馬遼太郎的には「長編小説晩年」とでも言うべき時期で、だいぶ脂の乗ったエンタテイメントでは無く、謎の枯淡の深き味わいとでも言うべき変容を来しています。そのあたりの司馬節が好きな人には、堪らない中編。僕は好き。 オーストラリアに近いところに「木曜島」という小さな島があって。 昔そこで真珠や、貴重な貝が取れた。 1900~1950くらいか?ソレを捕るために、危険な潜水を繰り返す仕事があり、 それがなぜか熊野出身の日本人が多かった。 その仕事のOB?たちの「人々の跫音」とでも言うべき内容。 大昔に、南太平洋の孤島に仕事でしばらく居たことがあって、 なんとなくアンな感じかな、と。 懐かしかった。 祇園精舎の鐘の音、という味わいの小説というか、エッセイというか。
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