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世界恐慌と経済政策 「開放小国」日本の経験と現代
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
発売年月日 | 2009/06/17 |
JAN | 9784532133702 |
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世界恐慌と経済政策
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商品レビュー
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本書では、統計データと近代経済学を使って計量分析し、歴史学から見た叙述的方法を組み合わせて、「高橋財政」で何が行なわれたかを分析している。「高橋財政」下での政府と民間主体が当時の日本を「開放小国」と見做して経済政策を行っており、「高橋財政」のうち、一回限りの大幅な円の減価後に英ボ...
本書では、統計データと近代経済学を使って計量分析し、歴史学から見た叙述的方法を組み合わせて、「高橋財政」で何が行なわれたかを分析している。「高橋財政」下での政府と民間主体が当時の日本を「開放小国」と見做して経済政策を行っており、「高橋財政」のうち、一回限りの大幅な円の減価後に英ボンドとペッグさせた実質固定相場レート制、日本銀行の直接国債引受による財政赤字を伴う大規模な財政政策が主にデフレ脱却に寄与しており、公定歩合を計3回引き下げた金融政策は飽くまで「受動的」に過ぎないとしている。また、これらの経済政策は、理論的に見ても固定相場レート制下でのマンデル=フレミング・モデルと整合しており、90年代のアジア諸国で行われた経済政策と類推していると結論づけている。 本書の中で一番刺激的な章は、第三章:「民間経済主体の予想形成」だ。この章では、岩田規久男編『昭和恐慌の研究』で、「二段階レジームチェンジ」により民間主体がインフレ予想へと転換したとされる岡田靖・飯田泰之論文への反駁が行なわれており、かなり説得力のある議論だと感じられた。” 「金本位制離脱ならびに赤字国債の日銀引受という二つの政策変化が、政策発動前の段階で人々の物価変動予想に変化を与えた」という仮説のうち、"前半部分すなわち金本位制離脱については整合的であるが、後半部分すなわち赤字国債の日本銀行引受については整合的ではないという結果となっている (P.132)"と結論している。 全体の感想としては、計量分析の部分が難しいと感じられた。計量経済学をやった事がないのでその部分はほとんど理解できなかったが、結論部分だけ読んでも勉強になると思う。専門書なので、第1章の総説と第六章の結論だけを先に読んでから、各章を読み進めれば理解の助けになると思う。難点として、「高橋財政」の財政政策が効いたとするのなら、財政政策の計量分析もやって欲しかった。まあそれは誰かがいずれやってくれるだろう。
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戦間期日本の経済政策について、資料をもとに理論的、統計的、そして叙述的に分析した計量経済史の本。マクロ経済やファイナンスの理論を回帰や各検定をもとに確認し、当時の雑誌や政策運営当事者の手記などの文献をもとに補強するといった内容で、計量経済史の分析方法のお手本ともいえる構成となって...
戦間期日本の経済政策について、資料をもとに理論的、統計的、そして叙述的に分析した計量経済史の本。マクロ経済やファイナンスの理論を回帰や各検定をもとに確認し、当時の雑誌や政策運営当事者の手記などの文献をもとに補強するといった内容で、計量経済史の分析方法のお手本ともいえる構成となっている。
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