商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社/集英社 |
発売年月日 | 2005/09/15 |
JAN | 9784087478624 |
- 書籍
- 文庫
黒い墜落機
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
黒い墜落機
¥712
在庫なし
商品レビュー
2.3
3件のお客様レビュー
ミステリというかアクションと言うか、森村誠一の得意分野で、自衛隊批判と自衛隊陰謀論に雪山の知識を織り交ぜて、「野性の証明」のプロトタイプを作ったというような話。 自衛隊の最新鋭戦闘機(当時)F4ファントムが南アルプスで消息を絶った。その期待に積まれていたものを知られるわけにいか...
ミステリというかアクションと言うか、森村誠一の得意分野で、自衛隊批判と自衛隊陰謀論に雪山の知識を織り交ぜて、「野性の証明」のプロトタイプを作ったというような話。 自衛隊の最新鋭戦闘機(当時)F4ファントムが南アルプスで消息を絶った。その期待に積まれていたものを知られるわけにいかない自衛隊のレンジャー部隊が調査を行うと、墜落現場の近くに13名の住人が住んでいる集落があるという。秘密を知ってしまった可能性のある13名を、秘密裏に消すことを模索するが…。 なるほど、墜落側からどう書くのかと思ったら、住民側から描くのかというのが最初の印象。それにしても、動機が薄いから単なるパニック作品かと思いきや、アクション作品になっていく。 似た作品というと、やはり名作「野性の証明」であろう。自衛隊の批判をやりつつ、内部の人間や裏切り者をうまく利用して、自衛隊に反撃するというストーリーである。1978年の作ということもあり、件の作品に比べると出来は甘いし、ひとりひとりのキャラクターを無理があるほど利用するスタイルはストーリーの引き伸ばしに感じてしまう。 全体にカタルシスもあり、中盤を過ぎたあたりから、最初に感じた心配もいらないほどにストーリーは進むが、「自衛隊は殺人集団」「国は大事なことを隠している」「妊娠することで超能力を持つ」のようなステレオタイプなトリック等で無理くりストーリーを支えているのは、かなり危うい。また、自分の自衛隊論を4~5ページに渡って語ったのもいまいち印象が悪かったな。普通にエンタテインメントで良かっただろうに。
Posted by
自衛隊をテーマに扱った作品は、近年増えてきており、その背景として東アジアの軍事的脅威の増加がある。例えば朝鮮半島では、北朝鮮のミサイル技術の進歩と相変わらずの独裁政治と大韓民国政治の日和見主義で不安定さが増す一方であり、さらに深刻なのが中国が覇権国家の色をアジアとアフリカに強く打...
自衛隊をテーマに扱った作品は、近年増えてきており、その背景として東アジアの軍事的脅威の増加がある。例えば朝鮮半島では、北朝鮮のミサイル技術の進歩と相変わらずの独裁政治と大韓民国政治の日和見主義で不安定さが増す一方であり、さらに深刻なのが中国が覇権国家の色をアジアとアフリカに強く打ち出していることである。必然的に彼等の太平洋進出の目の上のたんこぶの存在である日本に対するストレスが高まっている。このような時代の中で描かれる自衛隊はその出自から近隣諸国に配慮して幾つも法文にて行動制限を課していることが有事の際の足枷になることに警鐘を鳴らすようなトーンのものが多い。森村誠一の本作は近代のこれらの作風とはかなり質を異にする。まずは時代背景が警察予備隊から自衛隊に改称した頃の話であり、旧軍からの幹部が多く存在し国民も自衛隊の軍事的暴走を危惧しており、本作のテーマもこの時代の空気を反映したものとなっている。本作の中のモチーフである自衛隊の核装備については東西冷戦構造の中で盤石であった日米安全保障条約とアメリカの核の傘の中でタブー化されてきたが、トランプ政権の風向きによって収束した場合は、日本の生き残りオプションとして再び見直される可能性がある。いろいろな観点でこの半世紀を見直す作品である。
Posted by
廃村近くに極秘の飛行機が墜落。 これを隠すために、村ごと殲滅する計画を立てる自衛隊。 それを見抜き、生き残ろうとする村人たちとの攻防。 あの手この手で、自衛隊は村を殲滅しようとするんだけど、村人の知恵と機転でことごとく失敗していく。 シリアスな内容なのに、「それはないわ」のオン...
廃村近くに極秘の飛行機が墜落。 これを隠すために、村ごと殲滅する計画を立てる自衛隊。 それを見抜き、生き残ろうとする村人たちとの攻防。 あの手この手で、自衛隊は村を殲滅しようとするんだけど、村人の知恵と機転でことごとく失敗していく。 シリアスな内容なのに、「それはないわ」のオンパレード。 最初の方こそ引き込まれるも、段々とコントを見せられているような気分になった。
Posted by