こころと精神のはざまで

山中康裕(著者)

• 販売会社／発売会社: 金剛出版/
• 発売年月日: 2005/03/25
• JAN: 9784772408608

商品レビュー

2014/01/08

・双生児のバウムテスト事例。
一卵性で一致率が高く、二卵性で不一致率が高いものほど、素質規定性が高く、一卵性で不一致率が高く、二卵性で一致率が高いものほど環境規定性が高いと仮定する。
素質規定性が高いものは、幹・枝の構成、幹の央部・根部の形態、左右比。環境規定性の高い傾向にあるものは葉。
特に幹の構造形態が、素質あるいは、内的な規定性を受けやすく、一方枝葉や果実は環境あるいは外的な規定性を受けやすい。

・（自身の関わったクライアントの自殺した事例を挙げたあと）読者は、筆者を感傷的でありすぎる、と非難されるであろうか。治療関係とは、ほとんど、恋愛や殺し合いにも似たこころの深さの次元にまで、踏み込むことのある、だから、極めて危険な営みでもあることを、これらの記載から、深く知ってほしい。だからこそ、彼らとの「関係性」を結ぶとき、私は、かたくななまでに、料金や時間や場所を限定するのである。
それ以外の、クライエントとの、現実上での、コミュニケーションは、ただ治療室での、もっぱら絶対聞法のみであり、それ以外はこころのなかでのみ、ファンタジーの中でのみ行われ、かつ、同時に、そこで何がおこっているのか、何が行われているかに、可能な限りしっかりと、気づいていなければならないのである。