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エスニックの次元 『日本哲学』創始のために
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 勁草書房/ |
発売年月日 | 1998/05/20 |
JAN | 9784326153367 |
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エスニックの次元
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エスニックの次元
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「哲学」が、みずからの経験に関する「思索」から離れて、単なる西洋哲学の「研究」となってしまっている日本の現状を批判的に論じた本です。 著者は、大西克礼の『美学』上下巻(弘文堂)の叙述スタイルの検討をおこない、アカデミズムにおける美学のスタイルが明治以来の輸入学問の弊を引きずって...
「哲学」が、みずからの経験に関する「思索」から離れて、単なる西洋哲学の「研究」となってしまっている日本の現状を批判的に論じた本です。 著者は、大西克礼の『美学』上下巻(弘文堂)の叙述スタイルの検討をおこない、アカデミズムにおける美学のスタイルが明治以来の輸入学問の弊を引きずっていることを指摘します。その上で、みずからの経験の基盤から問題を立ち上げ思索するスタイルを創造しなければならないと主張しています。 そのほか、引用の創造性に関する論考や、読者論についての論考などが収録されています。いずれもポストモダニズムの文脈において広く喧伝されているテーマですが、著者はこれらに対してやや懐疑的なスタンスからの考察を展開しています。とくに読者論に関しては、作者が作品に込めようとした意味を絶対視する従来の発想を乗り越え、テクストの解釈における審級を作者から読者へと取り返そうとする試みとして理解されています。しかしながら著者は、こうした読者論の隆盛に対して、それが近代の認識論におけるカントのコペルニクス的転回を二世紀も遅れてなぞっているにすぎず、近代的イデオロギーを乗り越えるものではないと断じています。 前半のアカデミズム批判に関する論考については、著者の意図はそれなりに理解できるものの、「エスニック」や「日本哲学」といった言葉にこだわる必要はなかったのではないかという気がします。たとえば森有正は、西洋の思索の現場にみずから身をさらすことで、自己の経験を掘り下げる稀有な仕事をおこないました。しかし、彼の思想を「エスニック」と形容することや「日本哲学」という表現に囲い込むことは、適切ではないように思います。
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